中国茶器のチンシャン
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新しい茶壷のお手入れ
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普段の茶壷のお手入れ
●
茶壷は焼き締め(高火度で焼いた無釉の陶器)のため吸水性があります。お手入れには
洗剤を使わず
、熱湯でよくすすぎ、充分に乾燥させてから収納してください。
●
風味を覚えやすい素材であることから、
1つの茶壷では1つの茶葉を使い続ける
ことをお薦めします。そうすることで、そのお茶をいれるたびに個性を覚え、風味の豊かさが増します。
A.一晩かけてジックリ派
(1)茶葉少量を入れ、熱湯を注ぐ
※茶葉は、専用に使おうと思っている種類にすると尚良い
(2)一晩浸け込む
(3)茶葉で茶壷の内外をこすって磨く
(4)お湯でよくすすいでから乾かす
B.あっという間のお急ぎ派
(1)鍋にお湯を沸かす
※茶葉は、専用に使おうと思っている種類にすると尚良い
(2)茶壷と茶葉少量を入れる
(3)10分前後煮沸する
(4)少し冷ましてから、温かいうちに茶葉で茶壷の内外をこすって磨く
(5)お湯でよくすすいでから乾かす
※「B.あっという間のお急ぎ派」は、他の茶葉を入れたときなど匂いが気になる時にも有効です
※商品によっては使いはじめに湯がしみ出ることがありますが、数回ご使用いただくうちに止まります
A.使用直後のお手入れ
(0)茶がらをつかって、茶壷の内外をこすって磨く
※
養壷(→?)
をしない場合は省略可
(1)すぐに熱湯ですすいで洗浄する
※長時間放置しない
(2)充分に乾燥させる
(3)清潔に収納する
※湿気は匂いやカビの原因になります
B.使用しない日のお手入れ
(1)手拭いなど毛羽立ちのない綿の素材で軽く拭く
※ホコリや湿気などをチェックします
土 Material
紫砂泥とは
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土の種類とランク
●産地について
紫砂泥(しさでい)は、世界中にただ一箇所、中国の江蘇省・宜興(ぎこう/YIXING・イーシン)という土地で採取される貴重な天然土です。採取された時に紫色をしていることから、このような名称がつけられたようです。焼くと茶色になります。
素材の産地が限定されているため、宜興茶壷(ぎこう ちゃふー)といえば世界中にコレクターがいるほど、貴重で有名な茶器を生み出しています。チンシャンの茶器は、宜興で全て手作り生産されており、「宜興製」の印が必ずどこかについています。
●特長
・成形のしやすさ
・気孔のある特別な土質
・耐熱性/保温性
・強度
・上品な質感
など、良質な宜興茶壷を作るために欠かせない(他の素材では決して出来ない)特長を備えています。
●五色土伝説
その昔、宜興のあたりを通りかかったある旅の和尚が、村人に「富を与えようではないか!」と言って地面を指し示しました。その場所を掘ってみると「五色土」が見つかり、村人はその美しい色の土に驚いて、やがて「茶壷」を作り始めたといいます。「五色土」で出来た「色とりどりの茶壺」は村に豊かさをもたらしました。
―この伝説の和尚が、本当にいたかどうかはわかりません。でも「五色土」は、宜興だけに今も実在する天然土です。
※ここで言う宜興の「五色土」とは「宜興で採れる、色とりどりの土」のことです。「五色土」は、広い意味では「宜興で採れる土のすべて」を指す場合もあります。
チンシャンの茶器に使われている素材を中心とした、主な土の種類とランクをご紹介します。
紫砂泥(茶色系の土色)
貴重度
名称
コメント
★★★★★
天青
清水泥の中でもさらに質の良い土の名称。現在は枯渇して採掘できない。
★★★★
清水泥
(底槽清)
紫砂泥の中でも特に不純物が少ない良い土の名称。(別名:底槽清)
※特に質の良い土と水だけで作る「純正茶壷シリーズ」に使用しています。
★★★
本紫
紫砂泥よりも少し質が良い土の名称。
★★★
紫砂泥
茶壷に使う代表的な土。茶壷に使われる土の代名詞でもある。
朱泥(紅色系の土色)
貴重度
名称
コメント
★★★★★
最も良い
朱砂泥
朱砂泥の中でも特に不純物が少ない良い土の名称。
※特に質の良い土と水だけで作る「純正茶壷シリーズ」に使用しています。
★★★★
朱砂泥
朱泥の砂が少し大きめの土の名称
★★★★
朱泥
紅泥の中でも、特に良い土の名称
★★★
紅泥
茶壷に使う代表的な土色の一つ。
◎注意
これらは茶壷造りに適していると判断される、一定レベル以上の素材です。これら以下のランクもあり、レンガや鉢などに加工されます。中には、そのレンガなどに使われる素材を利用した粗悪な茶壷を機械で大量生産しているケースもあるようです。
「和尚光」といって、ヴィンテージでもないのに強い艶があるものは避けた方が無難です。「宜興製」というだけで粗悪品を掴まされることのないよう、お気をつけ下さい。
養 Growth
養壷(ヤンフー)とは
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チンシャン流 養壷 六か条
お茶をいれながら、上手に茶壷のお手入れをすること―それが養壷(ヤンフー)です。
これだけではピンッとこない方のために、もう少し詳しくお話しましょう。
チンシャンの陶器茶壷はすべて、厳選された天然素材(紫砂泥:しさでい)と水だけを使った手造りの素焼きです。これが、美味しい中国茶を楽しむための最重要項目。(※素材については
「土 Material
」をご覧下さい)
お茶をいれるたびに土の目が風味を覚え、やがて茶葉本来の味わいを存分に愉しめる自分だけの茶壷へと成長します。また、使用後の茶壷をお湯ですすぎ、茶渋を付けるように丁寧に磨くことで光沢をつけて愉しみます。
この【お茶をいれる〜磨いて手入れをする〜日々くりかえす】の積み重ねを養壷(ヤンフー)と呼び、古くから道具を慈しみ成長させる術として今も受け継がれています。
スタッフが約3年間、養壷した例 ▼
一、一茶葉一茶壺を守ること
1つの茶葉に1つの茶壺を専用とすること。葉と湯を合わせ茶をいれる。繰り返し湯を注いで茶を味わう。
一、温かいうちに布で磨くこと
茶壺を手に包み、温もりが残るうちに布でみがく。布は毛羽立ちのない木綿てぬぐいが良い。
一、茶を愉しんだら熱湯ですすぐこと
使用後は熱湯だけですすぎ、絶対に洗剤は使わないこと。茶壺には茶の香りを残す。茶渋もまたよし。
一、風通し良く乾かすこと
蓋をはずしてよく乾かす。もしも茶以外の香りがついてしまったら、湯を沸かした鍋で数十分煮ること。
一、茶壺を眠らせず、日々、茶をいれること
たくさん茶を飲み、茶をいれるたび茶壺をみがくこと。茶壺に茶がしみ入り、徐々に自然な艶を生み出す。
一、折にふれ、手に取り磨くこと
茶をいれずとも、みがくのもまた良し。週に三度は手に取り、みがくことをお勧めする。
やがて艶も出で、味わいさらに深し
茶の香りを内に閉じ込め、深い艶を帯びた茶壺は、茶をいれるたびに、茶の味わいをますます深くする。
造 Making
基本編 「光貨」のつくり方
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応用編 「花貨」のつくり方
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番外編 「茶壷造りの道具」
基本編:「光貨(こうか)」と呼ばれる幾何学的な形の茶壺。その中でも「円器」と呼ばれるまあるい茶壺の作り方です。
胴部叩き
泥土(粘土)を叩き均質な板状にし茶壺胴部のサイズになるまで広げる
底部切り取り
泥土を叩き底部サイズの形に合わせて切り取る
胴部接続
(1)の帯状胴部を円柱にする
ボディ成型
(2)と(3)の底部をつなぎ、木ヘラで叩きながらまあるく球状にする
ボディ磨き
均質になるように時間をかけて水牛の角で磨く(艶出し)
注ぎ口成型
泥土で注ぎ口を創り、水の出が良くなるように成型する
取手成型
棒状にした泥土を取手のサイズに切り整形する
ボディ穴開け
ボディ部に注ぎ口用の穴を針で開ける
注ぎ口と取手接続
注ぎ口、取手の位置を決め、ボディとのバランスをとって接続する
蓋部成型
意図する蓋の形状に成型する、またつまみも成型する
接続部調整
接続部に泥土を付けながら繋ぎ目をならす
ボディと蓋調整
ボディと蓋のサイズを調整する
細部調整
全体のバランスを見て細部を調整する
裏印捺印
「清香」「Qing Xiang」(チンシャン)の銘判を押す
完成
成型が完成。ここから約丸一日間、自然乾燥させ、その後1180度で焼成させる
応用編:「花貨(はなか)」と呼ばれる装飾茶壺の中でも、「円器」を基本に南瓜(かぼちゃ)をデザインした茶壺の作り方です。
土を叩き、底部と胴部用の土を切り取る
ヘラで叩きながら胴部を球状に成形していく
取っ手、注ぎ口、つまみを別々に作っておく
南瓜のデザインにあわせ筋をつけて「筋紋」へと変形させる
南瓜の葉、花などを成形し胴体に貼って細部を作りこむ
最後に、塞がっていた口を切りとり、蓋を合わせて全体を整える
このようなデザインの茶壷を1個つくるには丸三日掛かることも。同じところに何度と無く手をかけます。
注ぎ口を取り付ける前に、茶漉し穴も手作業で一つ一つあけていきます。
茶壷の口は最後にあけます。取り返しのつかない、慎重な作業。
細部を作り込むためのヘら。みな自分の手にあわせて道具も作ります。
小さな携帯用の缶にはいっているのは布に浸した灯油。へらに粘土がくっつかないようにするために使います。
これは規車と呼ばれる、長さを測り、サイズ通りに土を切り取るための道具。
容 Shape
茶壷の部位名称
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大雑把な分類
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個性豊かな茶壷たち
茶壷の種類は「光貨(こうか)」「筋紋(きんもん)」「花貨(はなか)」という大きく3つのタイプに分けて呼ばれています。
■光貨
幾何学的なデザインの茶壺の事で、さらに「円器(丸みのあるもの)」と「方器(多面形のもの)」にわかれます。
■筋紋
胴体にみかんの房のような筋がはいった茶壺を指します。
■花貨
梅、南瓜、竹、などの具象的なデザインを施した装飾茶壺の事を総称しています。
茶壺の姿形は実に様々。十壺十色の温もりが感じられ、個性豊かな中国茶によく似合います。どの形にもそれぞれ名の由来があり、それを知ることで愉しみがまた深くなります。ここでは代表的なものをご紹介しましょう。
書扁壺・ショヘンフウ
孟臣壺を模した一つ。文人に好まれた形ゆえ 「書」、「扁」は扁平な形。
方礎壺・ホウソフウ
柱の土台石をかたどっている。「方」は四角、「礎」はいしずえ。
圓珠壺・エンジュフウ
「圓」は丸い形の容器、「珠」は真珠を模した蓋のつまみを指す。
梨壺・リフウ
中国古来の果物「梨」の形を全体で表現したもの。
如意壺・ニョイフウ
物事すべて意のままになる「如意」を、中国の伝統紋で表している。
倒把壺・トウハフウ
「倒」は逆さまの意味、「把」は 取っ手。普通とは逆の珍しい形。
提梁壺・テイリョウフウ
手に下げて持つ「提」と、横に渡したはり「梁」持ち手の形を表す言葉。
井欄壺・ショウランフウ
「井」は井戸、「欄」は周りの柵状のてすり。曼生壺を模した一つ。
石瓢壺・セキヒョウフウ
「瓢」ひょうたんから作ったひしゃくを、「石」(陶土)で模したもの。
水平壺・スイヘイフウ
注ぎ口と持ち手とが「水平」で結ぶ事の出来る、茶壺の基本形。
匏壺・ホウフウ
「匏」は瓜の事。蓋のつまみは瓜から伸びるつるを表す。
祖 Root
Aの時代
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Bの時代
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Cの時代
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Dの時代
江蘇省(コウソショウ)・宜興市(ギコウシ)・丁蜀鎮(テイショクチン)という場所では、地元で採掘される「紫砂泥」を原料として、北宋(1100年頃〜)時代から素焼きの容器を作り始めました。
釉薬がかかっていない独特の色やテクスチャーをもった「紫砂容器」は評価され、中国全土に広がって行きます。
この頃の「紫砂容器」とは主に水を煮る瓶のことでしたが、その後500年位の間に、瓶から土瓶、土瓶から茶壺の原形へと発展していきました。
明代中期頃になると、宜興の茶壺作りは、日常の陶器から特別な工芸分野として扱われるようになってきます。
明末〜清代にかけては、芸術性を追求し表現方法を模索する優れた作家が表れ、後世(Cの時代)に良い作品としてもてはやされる多くの作品が、この時代に生まれています。
明代末期頃からは輸出が始まり、「紫砂泥を用いた茶壺」は「紅い磁器」と呼ばれてヨーロッパ市場へ出まわるようになりました。
そしてヨーロッパ陶器メーカーのティーポットの基となり、日本でも茶壺を手本として朱泥急須を作ったといわれます。
清代中期〜末期には、文人や茶人が「良いお茶を丁寧に味わうこと」を提唱し始め、「紫砂茶壺」の製造は文人や茶人等とのコラボレーションにより新たなジャンルを切り開き、空前のブームを巻き起こします。
青茶が盛んに作られていた華南地方では、小さな茶壺を使った「工夫式」喫茶の基礎が確立されました。文人、茶人、書画家などは、大陸の大自然の地を訪ね、互いの交流を通して「喉を潤す茶」と「煮出すための容器」を、「茶を愉しむこと」と「茶道具としての機能や優雅さ」へと変えていく存在であったと考えられています。
「紫砂茶壺」は昆虫や自然をモチーフにしたデコラティブな装飾芸術で有名ですが、魅力はそれだけではありません。
機能と美しさを兼ね備えた形のデザインはもちろん、豊かな色陶土の配合や配色、粒子の細かさなどを組み合わせて作る無釉薬ならではの表現の豊かさがあり、作家が独自の表現を模索し、研究することで奥深い芸術品として発展しました。
戦争、内戦による茶壺産業の停止状態を乗り越え、1950年〜1955年頃には中国政府による茶壺産業への投資が行われ、宜興は量産態勢を整えました。
また、香港や台湾への輸出の成功は「紫砂茶壺」の価格高騰を招き、人気のあった作家のアンティーク品のイミテーションが出まわるなど、市場は混乱します。
その後景気は悪化し、新たに意欲的に作られる作家の作品も数少なくなりました。また宜興の陶土は、限り有る資源のため採掘が大変難しくなり、現在では表現できない色合いもすでに出始めています。
飾 Decoration
1本で結ぶ「つゆ結び」
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2本で結ぶ「平結び」
中国茶器でいう紅線(こうせん)とは、茶壷の蓋と取っ手を結ぶ紐(アジアンコード)の飾りを示しています。カワイイだけでなく、以下のような利点もあります。
(1)一つ一つ手作りのチンシャンの茶器。蓋と本体が完全にフィットする組合せは1組だけ…と考えると、その蓋と本体が離れない安心感があります。
(2)熱湯でアツアツのお茶を注ぐ時、蓋を直接さわらずに紅線に指をおけば安心です。
(3)似たような茶壷が並んでも見分ける時に重宝します。
さぁ、あなたも茶壷に紅線をつけて遊んでみませんか?
【 100cm × 1本 】
使用した茶器…≫
1本で結ぶ「つゆ結び」は、よく見ると魚のうろこに見えることから、「魚鱗結」と書かれることもあります。
蓋のツマミとの間、結び目の間など、ギュッギュッと整えながらかたく結ぶのがうまく仕上げるコツ。写真のような蓋のツマミの場合は、ツマミの部分は少し緩めにしても安心です。
蓋はテープで台に固定します。
仕上げは簡単なカタ結び。(ライターで始末する場合は火傷にご注意ください。)他にもアジアンビーズなどをつけても◎
【 75cm × 2本 】
使用した茶器…≫
左右交互に結んでいきます。その見た目から「ムカデ結び」という場合もあります。
蓋のツマミが写真のような場合には、最初の結び目できつめに留めます。軸がねじれたり動いたりしないよう、テープで固定した方がうまく出来ます。
蓋はテープで台に固定します。
仕上げは簡単なカタ結びで。(ライターで始末する場合は火傷にご注意ください。)他にもアジアンビーズなどをつけても◎